iPodが出たときはあまり迷わなかった。値段が高すぎたし、1万曲も持ち歩くつもりはなかったから。
iPod Miniが出たときは正直悩んだ。微妙な値段設定だったし、1000曲というは妙に現実味があった。カラーバリエーションがあるのも良かった。
しばらく様子を見ようと思った。

そして今度のiPod shuffle。値段も大きさも手ごろすぎる。
これで、iPod Mini並みのカラーバリエーションがあったら、迷わず「買い」だったんだが。

また、しばらく様子を見ようと思った(笑
09月30日付 日刊スポーツの報道「三越が大阪、横浜など10店舗閉鎖へ」へのコメント:

特に通いつめた記憶もないのだが、入り口にライオンが鎮座する三越は、ずっと横浜の西口にあるものだった。

1階にはマクドナルドがあって、イートインスペースはものすごく小さかったけど穴場的存在で、学校帰りに友達と寄ったものだ。
地下のジョアンというパン屋、ここのミニクロワッサンは後を引く美味しさで人気があって、なかなか買えなかったものだ。
1階には、そごうにもタカシマヤにもないティファニーがあり、ウィンドウを覗いてオードリーな気分を試してみたりしたものだ。

学生時分にはタカシマヤでバイトをしていたが、当時は「ライバルは三越」という意識が社員全体に浸透しており、常に三越を意識しての展開があった。

だが、西口での商戦では三越は旗色が悪く、あまり客入りがよろしくないことも知っていた。というか、客として店内に入ってみれば一目瞭然だった。
地下街で直通になっているものの、西口では一番駅から遠いデパートだったのだから、さもありなん。よほどの「ここでなければ」という「付加価値」がないと、人は流れていかない。

BOOTSを入れてみたり、UNIQLOを入れてみたり、おおよそ「三越デパート」らしからぬ様相を呈しはじめたこの数年の様子は、素人目にも「ヤバいのでは」という雰囲気を醸していた。

それでも、西口には三越がずっとあるものだと、そう思っていた。
なぜなら、物心ついたときから今までずっと、西口にあったからだ。

なくなる、という話を聞くと、いままでロクに買い物をしたことがないくせに、なんだか「閉店なんて卑怯」という気持ちになってしまう。
人間とはいい加減なものだ…。

閉店前にもう一度、ジョアンのパンを買おうかな。
09月14日付 日刊スポーツの報道「Utadaアルバムがオリコン初登場1位」へのコメント:

この「EXODUS」というアルバムは「全米デビュー」のものだと思ったが、それが日本で1位になることにどれほどの意味があるのだろう?

今、全米チャートでは何位なんだろな?
そのために出したアルバムなんだから、結果のキックバックがぜひともほしいところ。
大学生の頃は法学部に籍を置いていた。
3年次から履修する、いわゆる「ゼミ」というものは、法学部だけあって、どのゼミであってもそれぞれの法律の細かいところを掘り下げるものだったが、その中に一つだけ「パソコン使用」という変り種があり、まだ大学の「パソコンルーム」に5インチFDDのPC-98が鎮座しているご時世に、単に「パソコン」というものに対する興味から、「パソコン」というものに対する予備知識はほとんどない状態にもかかわらず、このゼミを選択した。

何のゼミかというと、平たく言えば「電子裁判官」を作る、という主題のもので、論理式を組むのに適した「Prolog」というプログラム言語を使用して、「被告人△は刑法○○条により××の刑とする」という回答が自動的に出るようにプログラムを構築する…と教授は説明した。
法学部の変り種なこのゼミで、俺はMS-DOSの基本的な操作から、エディタを使ってのPrologのプログラム文を書くまでの方法をイチからマスターし、ある程度の論理式なら組めるようになったのだが、実際に「電子裁判官」となると、話は別物だった。

分かりやすく「刑法199条 殺人罪」を例に取ろう。
199条は平たく言うと「人を殺した者は死刑」という規定だ。だが、実際に殺人を犯した人が全員死刑になっているかというと、そうではないのは自明の理だ。
まず「人を殺した者」、この人が少年なのか、未成年なのか、成年なのか。それによって量刑が変わる。
更に、
 殺意はあったのか、なかったのか。
 初犯なのか、再犯なのか。
 複数人殺したのか、一人殺したのか。
 衝動的だったのか、計画的だったのか。
等々の条件により、量刑が増えたり減ったりする。

それに更に加味されるのが「情状酌量」というやつ。これは山東省の「電脳量刑」でも話題になっているが、数値や規定による明確な基準がないので、プログラム文でバッサリと判断するのが難しい。

仮に、ある人が実に周到に計画した上で自分の両親を殺したとしても、その犯人が「両親から日常的に暴力を受けていた」という事情があればどうなるか?
どういう論理式を組めば、この「情状酌量」を判断することができるだろうか? 

実際には、ゼミでは刑法は取り扱わず、情状酌量の余地があまりない民法の契約法をメインに、せっせとプログラム文を書いていた。
無論、1年程度のゼミではプログラム文が完成するはずもなく、中途半端なプログラム文を提出して、ゼミは終わった。

残ったのは、ブラインドタッチの技能と、基礎的なMS-DOSの知識だけ。Prologは一般的なプログラム言語ではないので、ゼミを終えた後は何の役にも立たなかった。
就職活動時に、法学部在籍なのにパソコンを使ったゼミを履修した、というのが「話のネタ」になった程度か。
07月23日付 日刊スポーツの報道「無言で刺す女子高生、賑わう町に衝撃走る」へのコメント:

「むしゃくしゃしていた、誰でも良かった」って動機をニュースでよく見かけるが、「誰でもいい」で人を刺して「むしゃくしゃした」という気分が晴れるのだろうか?

腹が立って何かに八つ当たりする、というのなら分かる。
会社のすみにあるダンボールを蹴り飛ばしたり、コマーシャルじゃないがバッティングセンターで吼えたり、そんな風に発散することは俺だってある。

だが、発散する、という行為が「人を刺す」という行動になるのが理解できない。
高校生という年齢の少女に、「人を刺す」という行為がどういう結果につながるかが理解できていなかった、とは思いがたい。

佐世保の小学生の女の子の事件は明確な動機があったので、まだいくらか理解できるが、今回のこの事件は全く分からない。

一つだけ分かったのは、自分は何も悪いことはしていなくても、ただぼけーっと突っ立っているだけでも
「むしゃくしゃした。誰でも良かった」
という理由だけで背後から包丁を突き立てられる可能性がある、ということだけだ。

肩がこる

2004年5月12日 日常
今、猛烈に肩がこってる。
左肩だけがビリビリとしている。皮膚の表面がしびれるような感覚すらある。
手でもむと、ズキッ、という痛みが走る。めちゃくちゃ痛い。
でも、やや「イタキモ」でもあるので、顔をしかめて「イテテイテテ」といいながらもんでしまう。

右肩は何もなし。

ビートたけしの番組で「肩こりはこんなコワイ病気の前兆!!」とやってた気がするが、見損なった。見ておけばよかった。

幽霊だかが「憑く」と肩がこって、どっちかの肩だと「善い霊(守護霊とか)」で、反対の肩だと「悪い霊(地縛霊とか)」だ、なんて話も聞き覚えあるが、どっちがどっちだったのかすっかり忘れた。霊感の強い友達に霊視してもらおうか、と真剣に考えてしまう。

腕にも鈍いしびれがあるような…。
なんか不健康だな。
ほとんど放置ぎみのこの日記、いつのまにか10000ヒットを超えてて、不思議でタマラン。今期末にして、今期最大の謎だろうな。

それほど面白い文章を書いてるという自信は皆目ないし、毎日マメに書いてるわけでもない。

仙骨骨折なんていう自虐ネタがウケたんだろうか?
(実はまだ痛いです…映画とかしんどい)

今期は今日で終わりなわけだが(実際、仕事は結構忙しい)、来期も週に1回(かそれ以上)のペースで、ここにちょぼちょぼと何か文書めいたものを残していこうかと思う。

4月1日からもよろしくお願いします。

月の光のなかで

2004年3月19日 読書
【ISBN:4901978217 単行本 渡辺 葉 ぺんぎん書房 ¥1,400】

目当ての本が見つからなくてクサって帰ろうとしたとき、タイトルとシンプルな装丁が目に入り、ふと買ってしまったのだが、期待していたほど面白くはなかった。
訳文が淡白すぎるのかも。

しかし、1400円か…。次はもっと吟味してから買うようにしよう。
長嶋さん、現時点では
「右手に麻痺があって、医者が手を添えると曲げたりできる」
「ゆっくりなら話せるので『失語症』のような重い言語障害はない」
だ、そうで。
まるで失語症でないことがとてもいいことのように報じられているが、これも楽観視しすぎだよな。
「失語症」にまでは至ってないだけで「言語障害」が出てるのは間違いないわけだ。
これは右手の麻痺なんかより時間もかかるし、治すのは大変なんだ。
頭の中でインデックスがバラバラになった状態だから、外から手助けすることはできるが、最終的にインデックスを正しい位置に直すのは、本人の努力なのだ。
目に見えて、力がついたり正確に動いたりするようになるのが分かる手足の麻痺とは全然違う。

俺のオヤジはひらがなを忘れてしまった。
ノートとペンを用意し、ひらがな五十音を大きく書いてやり、
「『あ』という音を表すには、この『あ』という文字を書く」
というレベルから、一文字ずつ練習していった。
文字の形自体は忘れておらず、脳梗塞を起こす前と何ら変わらず達筆に「あ」と書いてみせるのに、「あ」という音に対して「あ」というひらがなの文字が結びつかなくなってしまい、
「なんでこんな難しいものを覚えなくてはいけないんだ!」
と怒り出したり、
「こんなモン、覚えなくても生きていける!」
と投げやりになって怒ってしまったのも、もう何十回あったか知れない。

失語症ではない、それほど重くない言語障害、といわれた俺のオヤジでも、こういうレベルからのスタートなのだ。

まだまだ、これからですよ長嶋さん。
長嶋さんというオンリーワンな人に対して抱かれる幻想めいたものは、きっと俺の世代よりも上の人のほうが、なにやらすごいことになってるのだろう。

奇跡を起こす、とか。
超人的な回復、とか。

カリスマに対して抱く妄想と片付けるには、あまりに楽観的な台詞、報道にはメマイを覚える。腹立たしくさえある。

俺のオヤジは去年、左脳に脳梗塞を起こして入院した。
(一部情報は「秘密日記」に書いたので、知ってる読者もいるかもしれないが)
TVや新聞の報道で判断する限り、長嶋さんとオヤジの脳梗塞は同程度のようだ。
その経験を踏まえて言わせて貰うが、いくら彼があの「長嶋さん」であろうと、年齢の割に健康であろうと、脳梗塞で壊死した脳の機能をリハビリで取り戻して行くのには、それなりの時間が必要だ。それは間違いない。
だから「アテネで指揮を」なんて、プレッシャーを長嶋さん本人や家族にかけるようなことを軽軽しく言う奴らには、正直腹が立つ。

右半身の麻痺は、今も回復しつつあるようだし、日常的に使う場所だから、時間が経てば元通りに回復することは間違いない。
厄介なのは、左脳にある言語野が損傷することで発生する「言語障害」。こちらのほうがリハビリにも時間が掛かる。
俺のオヤジは倒れてからもう半年以上過ぎているが、未だに一部の単語は咄嗟に出てこないし、呂律も少しおかしいところが残っている。
(まあ、使用頻度の低い単語の場合に限られているが)
長嶋さんのような人が、単語が出てこずに考え込んだり、呂律がおかしかったり…というのでは、NGだろう。

あと、一部の記憶が飛んだり、混乱したりするのは、やはり脳に損傷が出た以上避けられない。
俺のオヤジは会社勤めしている間、ゴルフでブイブイ鳴らしていた方だったが、退院直後は、あれほど好きだったゴルフ中継を見せてやっても
「ルールが分からない。何をやってるのか分からないから、見てもつまらない」
と言った。
(今はゴルフのルールを思い出しているし、中継を楽しんでいるが…)
一概に、俺のオヤジのケースを当てはめるわけには行かないが、長嶋さんが「野球のルールが分からない」なんて言い出す可能性はなきにしもあらずだ。むしろありうることではないだろうか。

アテネ五輪まで半年もない。
だから言う。
長嶋さんに五輪代表の監督、なんてもう言うな。
マスコミや衆人環視の元で「観戦」に行けるだけでも、回復が早いほうだと思え。

長嶋さんは、TVやマスコミの前に出ても問題ないくらい回復しなくてはいけない、という宿命を負っている。気の毒なことだが。
そして、回復の道のりは長く、とてもつらい。
間違っても、患者や家族を急かすな。早く良くなって、などというプレッシャーを与えるな。
リハビリが思うように進まない辛さは、本人が一番つらい。一番こたえる。
だが、家族は、それを外から見守り、支えることしか出来ない。
周囲の期待が高いほど、本人はつらい。家族もつらい。

脳梗塞患者の家族として言わせて貰う。
長嶋さんを、そっとしておいてあげてくれ、と。
彼のペースで、回復させてあげてくれ、と。

朧月夜

2004年3月3日 日常
菜の花畠に  入日薄れ
見渡す山の端 霞深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

3月になり、春の声が聞こえてくると、何故かこの歌を思い出す。
残業帰り、朧な上弦の月を見た後なんかは、更に。
バレンタインの日に、日が日だったのでスウィーツフォレストまで行ってみることになった。
甘いものはキライじゃない。むしろ大好きだ。下戸なのでいわゆる「甘党」だが、それを差し引いても甘いものは好きだ。
だが、一人でスウィーツフォレストに挑む度胸は無い。今日みたいな日を利用するしかないのだ。

自由が丘は住んでいるところから割と近いが、あまり降りたことは無い。通勤で乗り換えてたことはあるかな?
要するに土地には不案内なので、二人で地図を片手に自由が丘へ。
この辺かな…というあたりまで来ると、そこはかとなく漂う甘い香り。

おお、あった。異様に賑わっている一角にスウィーツフォレストが。
中に入る前に並び具合を一瞥して
「なんかすごいことになってるな…」と二人でビビってみたり。入場が無料だから、とりあえず入ったような人で場内はラッシュ時の駅構内のような雰囲気。

目当ては広尾に本店がある「ル・スフレ」という店のスフレだったようだが、最後尾には某ディズニ○ランドのアトラクションも真っ青の「90分待ち」の看板が鎮座している。
「90分あったら、広尾の本店まで行って食べてこれるよね」という一言で、この店は早々に諦め。

まずは、軽く炙ったきび餅にチョコクリーム、ベリーなどを乗せた一品。これ、美味い。きび餅が淡白な味なので、クリームの甘味とベリーの酸味が良く合う。
立って食べれるように、餅には串が刺さっていたが、落ち着いて立って食べる場所を探すのすら難儀。イスやテーブルなんて論外。

どうせ立って食べなくてはいけないのなら、と次にはソフトクリームをチョイス。フルーツ系のソフトクリームを選ぶと、その場で果肉のブツギリを専用の機械にぶち込み、ソフトクリームと混ぜて出してくれるので、味がものすごく濃厚。癖になりそう。

あとはケーキとか、できたら座って食べたいものばかりだったので、割ったら中から溶けたチョコレートが出てくるお菓子(ちょうど焼き上がりだった)をゲットして、立ったまま手早く食べる。これもなかなかイケる。

だが、食べるよりも立つ場所の確保、そして木の装飾のせいでやたら歩きにくい園内を歩き回ったり、ガキやベビーバギーに足元を何度もすくわれながらケーキを落とさないようにして歩く、という芸当に思いのほか疲れてしまい、割と早く外に出てしまった。

外に出ようとしたら、係員に呼び止められた。何事かと思えば
「ただいま入場制限をしているので、一旦外に出られますと中に入れませんが…」
あの、俺、出たいから出口まできたんですけど? と頭にきたので
「もう出たいんで。外に出してください」
と少しキツめの口調で言ってしまった。

つーか、入場制限するなら、もう少し早めにやってくれ。入場料を取ってないから、入場している人数を正確に・早く把握するのは無理なんだろうが、歩くのも大変、ってのはチョットやりすぎ。

疲れたので、駅に戻る途中にあった喫茶店で一休み。
なんとなく目に付いて入った店だったが、BGMがTHE BEATLESのABBY ROADでいきなり和み。さらにサントスがなかなか美味だった。

おおっと

2004年2月2日 お仕事
いつのまにか見た目がガラリと更新されてました(汗

仕事は相変わらず忙しいです。
次の日記ネタはテキストファイルにまとめていってるんですが、なかなか内容を詰める時間がないです。

そういえば、今の部署に戻る話が来たのって、ちょうど去年の今ごろだったっけ。
なんだかあっという間のような気がするけど、あの地獄のような日々(大げさ)から抜け出すことに成功して、もう1年。

抜け出せて、本当に良かったと思う。
必要事項を記入した用紙(コピー)を人事に戻して数日後、正式な用紙が回ってきた。これに捺印し、医者に持っていけば、今までの治療費の全額が戻ってくるのだ。
で、問題の「14)災害の原因及び発生状況」には
『事業所内にて、階段を降りている際に誤って足を踏み外し、でん部から落ち、負傷した』
と書かれていた。
ヲヲ、「負傷した」なんて、なんかかっこいいぞ!!
労災担当者の作文能力ってすばらしい!!

斯くして俺は、治療費1万チョットを全額払い戻してもらえた。
その頃には、夏期休暇が挟まってたせいも、毎日Y字のシップを鏡を見ながら貼る(情けない…)のを続けた甲斐もあって、会社での業務には支障が無い程度にまで回復していた。
あのユカイな医者の言ったとおり、本当に「治りが早い」という感じだ。

だが、未だに長時間じっと座りつづけるのはしんどい。背もたれによりかかるのは、とてもできない。
この前、だいぶ良くなったから大丈夫だろう、と散髪に行ったら、あの散髪イスの角度がまたなんとも辛かった。もぞもぞ動くわけにもいかないし。
ダチの車に乗っけてもらったら、車のシートの角度(一番背もたれを立てた状態)が、これまた一番痛い角度で、同乗している間はしんどかった。

見たい映画とかいろいろあるんだが、当分ムリだろうなぁ。

一生の不覚・11

2003年10月23日
電話した翌日、人事から労災の書類…のコピーが届いた。
こちらで書いた内容を、人事の方で「清書」してくれるそうだ。ありがたや。俺は悪筆だから大助かりだ。
社外に出る書類なので、住所氏名に生年月日を書いた上、コケた日、場所、かかった医者の名前、そして…

「14)災害の原因及び発生状況
   あ)どのような場所で
   い)どのような作業をしているときに
   う)どのような物又は環境に
   え)どのような不安全な又は有害な状態があって
   お)どのような災害が発生したか
 を詳細に記入すること」
(原文のまま)

大体の項目はいいが、え)の「不安全な又は有害な状態」ってのが、該当しないんだよな。
ぶっちゃげた話、慌ててた俺の不注意でコケただけで、階段が壊れてたとか暗いとか危険とか滑りやすいとか、そういう状況じゃなかった。たまたま社内だったから労災になっただけで、社外だったら「おっちょこちょい」と笑われて終わりって代物だし。

人事で清書するなら、担当者に伝わるように書いたらいいのか、と考えた末、
『社屋内の階段を下りているときに、段を踏み外して尻餅をついた』
と書いた。いささかシンプルだが、これ以上、装飾も誇張もしようがない。「尻餅」をもう少しマシな単語に置換できたら格好つくんだろうが…(笑
その辺は向こうにお任せしよう。うん。

<その12・最終回へ続く>

一生の不覚・10

2003年9月24日
翌日、後輩が本当に穴開きザブトンを持ってきた。
普通のクッション状のザブトンがドーナツ型になっているだけのものを想像していたのだが、実際に持ってこられたのはゴム製で専用カバー付き、自転車のタイヤチューブみたいな金属の栓がついてて空気で膨らませて使う、本格的なもの。
後輩のオヤジさんは、どうやらマジモンの『ぢ』だったらしい(笑。
あまり腹筋に力が入らない(くしゃみしただけでケツが痛い)俺のために、後輩は手ずからザブトンを膨らませてくれた。
ありがとう後輩!! すんごーく楽だよ!!!(泣

穴開きザブトンを貸してもらった翌日から、会社は夏期休暇に入る予定だった。
すると後輩が「ザブトンを持って帰っていいですよ。ウチじゃ誰も使わないですから」と言ってくれた。
ありがとう後輩!! 夏期休暇も楽に過ごせるよ!!!(感涙
つーか、家でメシ食っててもパソコンやってても、ケツが痛くてしょうがなかったんだよ俺!

夏期休暇に入る前に労災の手続きを進めておくため、人事に電話。
「ちょっと社内で転んで、労災で医者にかかったんですけど…」と切り出すと
「どういった状況でしたか? 何処で? どんなケガを?」といろいろ質問された。
あー…言いたくないなぁ、「どんなケガ」ってのだけは…。でも、言わないと書類をくれないだろうし。
「実は、あの、仙骨を骨折しまして…」

「骨折ぅ?!」電話の向こうの労災担当女性の声が1オクターブ跳ね上がった。

「欠勤とかなさってませんか? 通院は?」手続きに必要なのだろうけど、矢継ぎ早にいろいろと聞いてくる。
担当者の頭の中には、松葉杖をついている姿が想像されていることだろう。
だからイヤだったんだよー、骨折って言うのはさー(泣

<その11へ続く>

一生の不覚・9

2003年9月17日
Y字シップのおかげで痛みが和らいだので、わりと楽に会社へ到着。
「おはようございまーす、遅くなりましたぁー」
「おぅ、おはようー」
といつもどおりに会話できたのは最初だけ。すぐに質問が殺到。
そうだろうなぁ、左肘にアレだけ包帯まいて、ヨロヨロ歩いてたら。

「いや、社内の階段でコケまして…」という説明を何度やったことだろう。もちろん、直属の上司にはキチンと話して誤解を解いておいたが、「階段で転んだ」、で「骨折した」となると、左腕の包帯を見て「大丈夫かぁ?」となる。だから違うんだってば。肘にはアザしかないんだってば。
「骨折」てっていうとみんなやっぱり「松葉杖」「ギプス」「長期の通院」とイメージするようだが、そのどれにも当てはまらないので困る。まあ、痛さだけは他の骨折並なんだろうけど。

仕事は午後から再開。しかし仕事用のイスに座ってるのが痛い。イスの横半分に座って重心を横にそらして、腰痛をこらえながらパソコン作業。
出来た書類をプリントアウトしても、プリンタまで席を立って歩いていくのが辛い。
立つのにも座るのにも時間がかかってしょうがないので、上司のOKを取り、イスに座ったままキコキコと移動してプリンタまで行くことにした(笑。

後輩に事情を話したところ「ボクの家に穴開きザブトンありますよ。持ってきましょうか?」とありがたいお言葉が。
「家にあるって、誰かそれが必要だからあるんじゃないのか?」と聞いてみたら
「オヤジが使ってたんですけど、もう大丈夫なんで」

…『ぢ』が完治したのだな、キミのオヤジさんは(笑

<10に続く>

一生の不覚・8

2003年9月16日
その他アレコレと雑談。
「イスに座るときは、背中をまっすぐにね。背もたれ使うと痛いよ?(・∀・)」
「いや、座ってるだけで痛いんスけど」
「どうしても痛いときは、穴の空いているザブトン使って(・∀・)」
「穴が空いてるのって…『ぢ』の人が使ってるようなやつですか?」
「そうそう。穴の部分がちょうど痛いところに来るから。楽に座れるよ(・∀・)」

まあ、確かに『ぢ』と部位は近いっすけど…挙動も似たような状態だけど(笑。そんなものを買いに行くのはかなり恥ずかしいかも。
そういうものを売っている店を探すのも、遠出するのも、今は難儀だしなぁ。

座るときの姿勢以外は、日常でそれほど気をつける点もなく、とにかく「しばらくは大人しくしてなさい」とのこと。
最後に先生はマジメな様子で
「転んだときの衝撃で、首とか腰を痛めている場合があるからね。
 後から痛くなる場合もあるから、手足がしびれたりとか、少しでもおかしいと感じたら、すぐに来なさい」
と付け加えた。
なるほど。首とかは後が怖いもんなぁ。今のところ大丈夫だけど。

診察室からやっと開放され、お会計。
「今回は自費ですので、8千円になります」
おおう、高い!!(泣
「領収書は無くさないようにしてくださいね。あとで全額戻りますから」
なるほど。全額戻るのか…労災っていいなぁ。
続いて、すぐ隣にある薬局へ移動。薬剤師のオバチャンの視線が、左腕に豪華に巻かれた包帯に行ってる。
…いや、痛いのはソッチじゃないんですけど。むしろソッチは全然痛くないんですけど。
どうしてこういう日に限ってスーツじゃないんだ俺。半袖だから包帯が目立ちまくりじゃないか(汗。

自費ということでシップと痛み止めに2000円ほど(高い…)払い、領収書をもらって、やっとミッション完了。
やっと会社に行ける…が、この包帯、イヤだなぁ…。絶対何か言われる…。

<9へ続く>

一生の不覚・7

2003年9月9日
「じゃあシップ貼って」と医者が看護士さんに指示。「Y字に切れ込み入れてね」
「Y字?」と合唱する、俺と看護士さん(けっこう若い女性)。
看護士さんがハサミを片手に首を捻っていると、見かねた先生がハサミを受け取り「こうだよ」とY字に切れ込みを入れた。

完成形はちょうどこんな感じ→[ Y ]

切れ込みは下から入れ、上の部分ではつながったままになっている。切込みを開くとM字みたいな形になる。
察しのいい人はお分かりだろう。

ケツはちょうどこんな感じだ→ ( Y ) ちょっとヒワイかも…

この「Y」の部分に、シップのY字切れ込みをフィットさせるのだ。こうすることにより、仙骨のあたりにシップがしっかりフィットするうえ、用便(笑)のジャマにもならない。
へぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇー。

さー、これで会社に行ける…と思いきや、レントゲンでの所見でも異常なし、見事な青アザが発達しつつある左肘にもシップ貼りの指示がでて、さらに包帯でぐるぐる巻きにされてしまった。
ちょっと大げさな気が…(汗 包帯がしっかり巻かれたせいで、肘が曲がんないんですけど。

「控えるべきこと、ってありますか?」
「うーん、『痛いことはしない』かな? 当たり前のことだけど(・∀・)」
「走ったり、とかですか」
「そうそう。あとさ、そのシッポで木にぶら下がったりとか(・∀・)」
「あ、そりゃ出来ないッス。長さがちょっと足りないし」
↑長さの問題じゃないぞ俺。
っていうか、こういう風に言う医者も医者だが、すぐに切り返す俺も俺だ。まったく、医者となんて会話をしてるんだ。
つーか、なんなんだこの医者。
どうして医者との会話で、これほどユカイなことになってしまうだ?

<8へ続く>

一生の不覚・6

2003年9月8日
医者は戻ってくるなり、これがまた楽しそうにレントゲン写真を広げた。骨盤のどアップ写真のうち、横向きの方を指して
「ほら、ここ。折れちゃってるの。分かる?(・∀・)」
「いや…」素人目には分からんです先生。
「この辺。ここに斜めに隙間が開いてるでしょ(・∀・)」
…あ、それって背骨にあるような、関節と関節の隙間じゃないの?! それくらい開いてるんだけど(笑
「仙骨の骨折だね」
そういいながら、医者はカルテにスラスラと横文字を書き、骨の折れている様子を簡単に図にした。
「ここって尾底骨じゃないんですか?」
「尾底骨ってのは、この折れた先っぽの方のことなんだよね。シッポの部分。で、あなたが折った場所は仙骨(・∀・)」

医者によると、背骨の一番下に当たる場所が「仙骨」で、その先にくっついてるのがシッポこと「尾底骨」。俺の場合、仙骨と尾底骨の接合部あたりを根元からポッキリと折ったようだ。つまり、尾底骨自体は全く折れてないが、仙骨から離れてる状態。

骨折と言われて改めて納得する、この激痛。そりゃ痛いはずだ。
階段でコケて尻餅ついてケツ骨を骨折だなんて…。思わず
「なんか、情けないッスね」とこぼしてしまったが
「いいんだよ、よくあることだし、すぐ治るから(・∀・)」と慰めてくれた。

骨折とはいえ、ギブスの必要はないとのこと。
「女性だったら、硬めのガードル履いてもらって、固定するんだけどねー(・∀・)」
へぇーへぇーへぇー。

補足トリビア。
「尾底骨って、手術で取っちゃうこともできるんだよ。だって、人間が使わない骨でしょ? 親知らずと同じで、なくても困らないからね(・∀・)」
へぇーへぇーへぇーへぇーへぇー。

更に補足トリビア。
「でもね、みんな手術を嫌がるんだよね。こういうポーズで受けなきゃいけないからさー屈辱的なんだよねー(・∀・)」
といって医者が示したのは、グラビアアイドルが乳のボリューム&胸の谷間を強調するために四つんばいになる「豹のポーズ」のようなもの。
そりゃイヤだ。
へぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇーへぇー。

俺的には90へぇ近いぞ、その知識って。

<7へ続く>

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